2019年02月26日

木こりになった蒲鉾屋

1月中旬、長島の従兄から「松木を切って置いてあるから取りに来てくれ」という一報が入った。
さっそく精鋭部隊が現地におもむき軽トラック1台分積んできた。その時の報告によると、「唐隅灯台(長崎鼻灯台)の所に立ち枯れした松の木が5,6本あるが、いるか」とのことだった。日にちは未定だがフェリーのドック入りが終わってからということで返事をした。
2月24日(日曜日)に「決行」ということが決まった。志願者を募った。2名の若者が申し出た。
私も指揮者として現地に赴くことになった。

蔵之元行きフェリーに乗船、久々の船旅だ。戸島付近に差しかかると、窓の外がやけに騒々しい。外に出てみると、カモメの大群だった。一人の乗船客さんが、デッキ越しに片手を差し出すとつまでいたかっぱえびせんめがけて次々とくわえていくではないか。すげー、カモメウォッチングって初めて見た。

木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋

子供たちも大いにはしゃいだ。後でその人に聞いたら、いつもは来ない。2月から3月初めまで今の時期しか来ないそうである。

港に着くと従兄が待っていた。その足で現場に直行した。広陵としたジャガイモ畑を下っていくと、長崎鼻灯台が見えてきた。

木こりになった蒲鉾屋

何十年ぶりだろう。あの時の灯台も今は公園になっていて、観光スポットの一つになっている。
お清めの塩を根元にまき、作業開始だ!

木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋

足場がよかったので、2時間弱で終わった。
「残りの松はどうする」と従兄が言ったが、車が入らなくて、木が大きいことから私たち素人の手におえるものではないと判断し、今日の作業は終了した。帰る準備をしていると、「嫁がカレーを作って待ってるから、食べて行ったら」と言われた。
断る理由を一生懸命探したが、何も見つからなかった。

家に入ると、ひな壇が飾ってあった。

木こりになった蒲鉾屋

40年前に娘に買ってやったものだという。毎年この時期になるとお披露目になるそうだ。
一仕事終えた後のカレーは格別の味だった。

木こりになった蒲鉾屋

帰り際には、ジャガイモやダイコン、ほうれん草とコンテナに入りきれないほどの野菜をもらった。それに大好物の「島美人の黒」も頂いた。私は何という果報者だ。

そして今日はその松木を割る作業だった。

木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋
木こりになった蒲鉾屋

全国に蒲鉾屋はあまたあるが、くんせい蒲鉾を業としているところはない。しかも松木の煙で燻すくんせいは牛深伝統の特産品だ。今年の4月でこの道50年になりますが、いまだ晩成せず、小器を抱き悪戦苦闘している自分を見ると情けない。
だが、この伝統の味を後世に伝えていくことが、当店の使命だと思っています。皆様今後ともよろしくお願い申し上げます。



Posted by 貝川蒲鉾店  at 22:59 │Comments(2)

この記事へのコメント
読めなかったので、樵の読みを探しました(笑)
漢字を読むのは好きなのですが、この字は初めてお目にかかりました。
燃料確保も大変ですね。
いつも楽しく読ませて頂いてます(*^-^*)
Posted by あひるちゃんあひるちゃん at 2019年02月27日 09:22
あひるちゃんさん
難しい字を書いて申し訳ありませんでした。訂正してお詫びいたします。
Posted by 貝川蒲鉾店貝川蒲鉾店 at 2019年02月27日 11:41
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