2021年09月08日

お宮参り

神の国の話
7月の末、雲の上の広場に8月に産まれる女の赤ちゃんたちを集めて神様が話し出した。
「下界の貝川蒲鉾店に、女の赤ちゃんが産まれることになっている。誰かそこの子供になる希望者はいないか?」と。
すると広場内がザワつき始めた。
「アソコのじいちゃんは、加藤清正と偽名を使っているそうよ。」
「趣味はつまみ食いだって!」
「特技は掛け算の九九が言えるって豪語しているらしいよ。小学3年生でも言えるのにネー。馬鹿みたい。」
「昨日も松本内科で、検尿のコップを持って採尿を取っていたら、コップを持っている指に、少しシッコがひっかかり、右手に持ち直して、左手の露を振り払おうとして、勢いよく指を振ったら、便器の角に強くぶつけ、あまりの痛さに、思わずその指を口の中へ入れようとしたそうよ!」
「いやねー」「最低」
「しかもシャツのボタンを掛け違えているのを知らないで、心電図を取った後、ボタンを留めようとしたら、また2番目の穴に入れようとしたので、看護師が見かねて、「また2番目から入れようとしている。もう1つ上から、ボタンをははめんば!」
そう言われて、初めてボタンの掛け違えに気づいたそうよ!」
恥ずかしいー。やーねー。わたしなら死ぬわぁー。
非難ごうごうの中、1人の赤ちゃんが立ち上がり、「私が行きます!」と力強い声で言った。
「何か面白そう。フフフ」
「えー、他にも裕福な家庭はいっぱいあるのにー。」
「オー、君が行ってくれるか。あそこは、じいちゃんを除けば、みんな良い家族ばっかりだから、幸せになるよ。あの男は、馬鹿をやってないと生きてはいけない男だから、気にしなくていい。」
「8月1日に君は産まれることになっている。名前が決まったら、33日目にお宮参りに来るように。お神酒も忘れるなヨ。」
「ハイ、ジャー行って来ます。」
「オイ、待て待て、このリュックサックを忘れるな!これには、君の人生の運が入っている。どうにもならん時だけ開けて、少しずつ使うように。」
「ハイ、わかりました。」と言って、羽根の生えた翼にリュックを背負って下界に下りて行ったのである。

9月2日は、産まれて33日目の日。神様との約束の日だった。
当日は、赤飯が7時半頃来たので、神様に塩と赤飯とお神酒を上げた。
ご近所にも赤飯を配った。お宮参りの時間は、11時だった。
嫁さんのお母さんに、赤ちゃんを抱いて参拝してもらうようにしていたのだが、急用ができて来れないということで、うちの嫁が急遽代役を務めることになった。
少し時間にゆとりを持って出かけた。八幡宮で落ち合うことになっていた。
長男たちも着き、車から降りて来たので、「着物は持って来ただろうな。」と聞くと「アッ、忘れた。」と言って、慌てて家まで取りに行った。

お宮参り

この着物は嫁さんのお母さんが、娘が産まれたときに作られた着物だそうだ。でも、ご主人のお母さんがもう作っておられたので、そちらの方を宮参りには使われて、この着物は一回も使用しないまま、タンスの中に眠っていたのである。
30余年の時を経て、やっとここに日の目を見ることとなった。

お宮参り
お宮参り
お宮参り

11時に神事が始まった。「ドン、ドン」と太鼓が打ち鳴らされた。するとツムギが、「ビク、ビク」と体を動かしたそうな。

お宮参り
お宮参り

お神酒、お初穂料、玉串を奉納し、全員お祓いを受けた。
神事が終わった後、宮司さんのはからいで、神様の前で記念写真を撮ることが許された。

お宮参り
お宮参り
お宮参り


時計を見てみると、11時40分だった。「昼食をみんなで食べるかー。」と言って、海彩館に予約を入れた。着いてみると、平日なのに結構お客さんが多かった。
刺身定食にしたのだが、なま臭くて、いまいちだった。
ハンバーグか天ぷら定食にすべきだった。

お宮参り

ツムギは疲れたのだろう。予約席の前で大の字になって眠ってた。顔を覗いてみると、心なしか、オセ、オセした顔になっていた。

お宮参り

きっと神様が魂を入れて下さったに違いない!



Posted by 貝川蒲鉾店  at 22:56 │Comments(1)

この記事へのコメント
来年の夏は、大汗をかきながら子守りが待ってますね。
おじいちゃん、おばあちゃんと言葉が出ると可愛さ100倍ですよ( ^)o(^ )
Posted by あひるちゃんあひるちゃん at 2021年09月09日 08:26
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