2024年08月29日

職場体験と料理研究家

♪守りもいや~が~る盆から先にや~雪もちら~つくし、子も泣く~し♪
この歌は、赤い鳥の「竹田の子守歌」である。若い頃はギターで良く唄っていた。
この夏は、桃、メロン、ソーメン、ビール、ジュースなどなどと、各方面からお中元の品を頂き、この場を借りて、厚くお礼申し上げます。

職場体験と料理研究家
職場体験と料理研究家

我が家の冷蔵庫はまだ若干のゆとりがあります。

先月中旬、民宿の大黒屋さんから、相談を受けた。
「社長さんに頼みごとがあるのですけど」「金以外の事なら何でも」
「実は東京から学生さんが来て、牛深で職場体験をしたいという事で貝川さんの所で体験させてもらえないでしょうか。」という事だった。
「え、体験学習?このクソ暑いのに」と思ったが、日頃お世話になっている大黒屋さんだ、困っておられるようだったので、承諾した。
後日、某大学の担当者からTELが来て、リモートで話すことになった。このプロジェクトの趣旨、スケジュールなどを話し合った。
来る学生は高校生2人、中学生2人、それに引率者2人の6名、このプロジェクトは数年前から始まったそうで、昨年は北海道だったそうだ。今年は鹿児島、天草、長崎に決まったそうだ。これに参加する学生は募集をかけ、面接を行い、それで合格した人が選ばれる。選ばれた人は当日まで、どこの誰が来るか知らされていないもちろんどこへ行くかもだ。
「今の子供たちは勉強ばかりで、世の中のことがあまりわかってない。職場の人たち一緒に働き、働きながらその土地、文化、言葉、歴史を学んでいく。それに労働の厳しさも」というのが、趣旨らしい。
「だから、ビシバシ鍛えて下さい」と。
しばらくして、作業用長靴が送られて来た。日程が8月21日、22日の2日間に決まった。

数日して、担当者の方から、某大学スタッフ、カメラマン、NHKでおなじみの料理研究家の人も是非くんせい蒲鉾を食べてみたいと言って、同行されることになったそうだ。「望むところ、相手にとって不足無し!」不思議だ。もうそろそろ閉店しようと思っている時、次から次に話が来る。オレを閉店させないために嫌がらせをしているに違いない。

8月21日、1時に公志が大黒屋まで迎えに行った。
工場に着いたら挨拶無しですぐに長靴に履き替えた。公志、松山さんの指示の下、アジの頭むしりに入った。最初はおそるおそるだったけど、女の子2人はすぐに要領を飲み込んだ。

職場体験と料理研究家

男の子たちには、魚を洗ってもらった。これもすぐうまくなった。
その後、魚の身を水で晒した。水を桶に入れるにもバケツリレーで、なかなかチームワークがとれていて好感が持てた。

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最後に床をデッキブラシでこする姿はなかなか様になっていた。

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4時前には作業は終了した。5時からはシルバー人材センターの人たちと草むしり作業が待っている。その晩は夕食の後、大黒屋の三階の大広間で桃の会の唄い手、踊り手と三味線、太鼓でハイヤ節を披露した。
子供たちも一緒に踊り、大変喜んだそうだ。
こんなに迎えられたのは初めてだったとのことだった。

8月22日(2日目)、朝6時、充が大黒屋に迎えに行った。
皆にネット帽をかぶってもらい、トルトルでお互いの背中のゴミを取り、作業開始。臼の中の調味を始めていたら、料理研究家の人とそのスタッフが来られた。

職場体験と料理研究家

公志が調味をしているの見て、あれは何を入れている、あれは何といろいろ質問された。それに答えながら、今度はこちらから尋ねた。
「あなたのお父さんは海軍の輜重兵(料理人)でしたか?」
「えっ、なぜ知っているんですか?」「いえね、私の従兄が海上自衛隊にいて、お父さんは海軍の料理長をしておられたようだ。だから聞いてみろ。と言ってたので。」「そうです。海軍の輜重兵でした。当時海軍は牛とか豚を食料として、軍艦の載せていて、各方面からお父さんの所へ料理を習いに来ていたらしいです。」
くんせいするまで時間があるので、一旦帰られた。
そして、摺りあがった蒲鉾を形成機に入れる。形成機のベルトから出てくる蒲鉾をセイロに並べるのだけど、長男が一人一人に手本を見せ、指導したのだが、すぐ並べられるようになった。

職場体験と料理研究家

途中でチーズ入りの蒲鉾を作らせた。自分の好きなように作っていいと言って自由に作らせた。みんな楽しく作っていた。
11時半過ぎたので、ボイラーのスイッチを入れ、蒸し始めた。
蒸し上がった蒲鉾を別のセイロに移すのだが、熱いからボールに水を入れ、指を冷やしながら、手際よく並べていた。

職場体験と料理研究家

いよいよくんせいするのだが、トラブルが起きた。1回目の蒲鉾をくんせい機の中に入れてしまたので、松の木が窯の中でどう燃えているか、動画に撮ってもらった。ほんの数秒だっが、本来廻っているはずの観覧車が止まっている。「ヤバイ!」慌ててスイッチを入れた。長男がスイッチを入れるのを忘れていた。案の定一番下になっている蒲鉾が焦げていた。辺りに香ばしい香りがただよった。そこに料理研究家とそのスタッフが来られた。しばらくして一回目のくんせい蒲鉾が出来上がり、皆さんに切って食べてもらった。みんな美味しいおいしいと言って食べてくれた。
マヨネーズもサラの横に出して子供達にも食べさせたら、こちらがうまいと言ってくれた。その後、料理研究家の人と名刺交換し、お礼に自分が出しておられる本をサイン入りでプレゼントしてくれた。

職場体験と料理研究家
職場体験と料理研究家

子供たちは3時のバスで本渡に向かうことになったので、2時30分で作業は終わり、みんなで記念写真を撮って工場を離れることになった。

職場体験と料理研究家

本渡では御所浦に行ってるチームと合流することになっていた。
翌日は、キリシタン館と西海岸の世界遺産を見て、「望洋閣」で一泊して長崎に渡るらしい。
8月23日は次男の誕生日だった。おめでとうとお疲れさまでしたで祝杯を挙げた。

職場体験と料理研究家

無事何事もなく終わってホッとした。



Posted by 貝川蒲鉾店  at 15:10 │Comments(1)

この記事へのコメント
貝川さん、凄いですね。学生さん達もいい経験でしたね。
Posted by まるじゅん at 2024年09月13日 07:01
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