2024年03月16日

悲惨な誕生日と木山初市

♪君が去ったホームに残り、落ちてはとける雪を見ていた~今春が来て、君はきれいになった。去年よりずっときれいになった~♪
先週東京では、雪が降った。そのニュースを見て、ふとイルカの『なごり雪』を思い出した。

3月1日は私の誕生日だったが、前日の29日、仕事中ストーブの前で椅子に座り、居眠りこいでいて急に起こされ、ビックリして立ち上がろうとして、椅子につまずき、後ろにコケてしまった。
何もつかむものが無かったので、後ろの風呂場の段差で右わき腹を思いきり打った。長男が慌てて抱え上げてくれた。
一時の間、痛くもあったが息をつくのもきつかった。2日から益城町の木山初市だが、「しまったぁーやってしまったかなぁー」と一抹の不安が頭をよぎった。
その日は大事をとって、息子たちに仕事を任せた。翌1日、朝6時から仕事をしたが、まだ痛みはあったものの、午前中仕事をすることが出来た。
夜、1人寂しく「八海山の大吟醸」を手酌で湯吞に注ぐ




「あぁー73年間生きて来て、誰も祝ってくれるものはなく、このまま孤独死してしまうのではないか」と考え込む。そこに「親父、何歳になったと?」と言って、息子がコップを持ってきた。親子3人のささやかな誕生日であった。




翌3月2日、朝4時起床、軽のライトバンで益城に向かう予定だったが、前日の痛みも残っていたので、急遽長男の普通ワゴン車で行くことにした。
出発は少し遅れたが、次男が1人で運手することになった。
昨年は益城町総合体育館の駐車場であったが、今年は昔ながらの本町通りであった。熊本地震後、区画整理で整えられていた。
道幅も大分広くなっていた。イベント会場もいつもの所だった。
私たちはいつも道路端で売っていたが、イベント会場で売るのは初めてであった。今回はテント、イス、机は主催者側が全部準備してくれたのが良かった。
ステージも10時から始まり、歌や踊りで賑わった。




テレビ局もRKKとKABが来ていた。ステージの司会は松村なおアナが担当していた。
昼前、近くにトイレがなく、仕方がないので、木山座まで行くことにした。木山座の所は、市だごを買う人で行列ができていた。
すると富澤さんが、RKKのインタビューを受けていた。





この富澤さんは、益城町商工会の婦人部の部長で、私たちが、この木山初市に出るきっかけを作ってくれた人だ。
18年前、熊本空港のイベントで一緒になり、「今度3月に木山初市があるけど、売りに来んね。場所は私たちが市だごを売っている隣でよかけん。」と言って、商工会も通さず、本当にその横で売らせてくれた。益城町では、この人に逆らうものは男でも女でも誰もいない。市だごが完売したら、俺たちのテントに来て、道行く人を次から次に声をかけ「だれだれちゃん、カマボコを買って行かんね。あんたも、あんたも」と言って、瞬く間に1、2万売れた。今年も帰り際に5,6人連れてこられ、みんなセットを買って下さった。6年前にご主人をガンで亡くされ、今は7人の孫がいるそうだ。
テントに戻ると、次々にご常連が買いに来てくださった。
このくんせい蒲鉾が大好きと言って、年に1度の木山初市を楽しみにしている人。ほうれん草や芋や高菜やミカンなどなどの差し入れで、テントの中がいっぱいになった。
3月3日、二日目が始まった。この日は、西村町長や知事選に立候補された木村さんが私のテントの所に挨拶に来られた。
木村さんに、「月に1度は県庁に売りに行っています。」と言ったら、「知っています」と答えられた。気を良くした俺は、くんせいセットに新商品の「合格天」を2ヶ入れた。「ぜひ当選されるように」と言って持たせた。恐縮されたが、固い握手をしてステージの方へ行かれた。
それから、餅投げならぬ豆投げが始まった。




ステージからと我々の店の前で投げられた。嫁と息子とでいっぱい拾ってきた。そしたら店に珍客が来た。兜をかぶり、鎧をまとった犬だった。しかも刀も背負っている。名前も「亜月」と言うそうだ。世の中にはユニークな人なり、犬なりいるもんだ。





3時過ぎたころ、トイレを借りに木山座まで行った。が鍵がかかって入れなかった。仕方がないので、商工会まで歩いた。
100メートルの登り坂が「ウワーもつかなぁ」と思いながら、必死で歩いた。ちょうど息子も商工会の上の駐車場に車を止めていて、荷物を運んでいた。無事用をたし、今来た道を帰ったのだが、帰りは下り坂、楽勝と思って歩いたのが間違いだった。つまづいてコケてしまった。とっさに両手をついてかばったのだが、1回転して道端に倒れた。すると運よく後ろから息子が来ていたので、慌てて起こしてくれた。
忠臣蔵の松の廊下みたいに「貝川殿、殿中でござる」「止めて下さるな公志殿、せめてもう一太刀」と馬鹿を言っている場合ではない。痛いやら恥ずかしいやらで、泣きたかったが、我慢した。
翌、月曜日、市民病院の整形にかかった。レントゲンの結果、右わき腹の肋骨が1本折れていた。ひざは擦り傷、右手首は捻挫で、全治1ヵ月の診断が下された。右わき腹の骨が折れているところは、紫色に変色していた。散々な誕生日だった。今年は先が思いやられる。

笑いは百薬の長
ロバートは仕事を終え、いつもの町はずれの道に差し掛かった時、橋から身投げしようとする1人の美人女性を見つけた。ロバートはすぐ車を止め、身投げしようとする美人女性に、「早まっちゃダメだ、神様からせっかくもらった命じゃないか。」と言って、必死に説得した。
「お願い止めないで、このまま死なせて」とは言ったが、ロバートの必死の説得により美人の女性もだんだん冷静になった。
「いったい何があったか知らないが、君は若いしそんなにきれいだから、いくらでもやり直せる。あのーそうだなぁ、おれなんかどうだ、なぁ」
「あなたと?本当に私なんかで良いの」と言って、彼女はロバートの顔をしみじみ見つめた。
そして命の恩人の首に手を回し熱いキスをした。とろけるようなキスだった。
「それにしてもなぜ身投げしようとしたんだ。」
「両親がね、絶対に女の恰好なんてするなって言うの。」
  


Posted by 貝川蒲鉾店  at 11:18Comments(0)